第一章 大失恋のその後で

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   勝也が探してるのは、紺のブレザーで首に赤いリボンをした女子の私。  そんな私を、探してるはず。  そこに、私はいないのに……  勝也は、そのページに【花咲 愛美】って名前を探しているはず。でも、その名前はそこには無い。 「なぁ、このアルバム本当に愛美のなのかよ。別の誰かのじゃないのか?」 「違うよ、それは私のアルバムだよ」  その時、電気ポットが湯気をあげた。  ポットの沸騰のランプが消え、保温のランプが灯ってる。  この部屋に、誰かを呼ぶなんて思ってなかった。お客さん用のカップなんてこの部屋には無いから、いつも私が使ってるカップに紅茶を入れた。  そして、カップを2つ持って部屋に行く。  アルバムを見ている勝也を見て、また心臓が痛いくらいに苦しくなった。  見開いたページの、左側が男子で右側が女子。そこには、個人の写真と名前が載ってる。  勝也が見てるのは、右側。  勝也の隣に座って、カップをテーブルに置いて私もアルバムを見てみる。  私が見てるのは、左側。  
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