第一章 大失恋のその後で

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   性同一性障害。  自分の肉体が、どちらかの性に属してるか認識しているけど、人格的に肉体と逆の性に属していると、確信してる状態をさす病名及び障害の名前。  同性愛とかと間違う人がいるんだけど、まったくの別物なんだよね。  私の場合は、男の子の身体に生まれたけど人格は女の子だったんだ。  だから、性別適合手術を受けた。  昔は、性転換手術って言ったみたいだけど、男から女に転換するって感覚は全く無い。  性同一性障害者は同じ感覚らしくて、だから性別適合手術って呼ぶようになったって昔に調べた時に知った。 「それが、どうしたんだよ」 「だから、昔は男の子の身体だったけど、私は女だって事が分かってくれたでしょ」 「性同一性障害の事は、何となく知ってたよ。俺が言いたいのは、何で言わなかったかって事だろ」  勝也は立ち上がって、私を見下ろすみたいにして大声で怒鳴った。  それを言われるのは、分かってた。  どんなに女だって主張したって、それを隠してた事実は拭い去れない。  それが、嘘をついてたって事になる。  
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