第一章 大失恋のその後で

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   後ろめたい気持ちもある。  嘘だと言われたらその通りなんだけど、元性同一性障害者の気持ちからしたら、絶対に言えるはずなんて無かった。  嘘をついてまで付き合いたかったのは、勝也が好きだったから。 「言ったら……」 「何だよ、愛美」 「言ったら、付き合ってくれたの。前に男の子の身体だったとしても、私の事を好きになってくれた?」 「それは……」  やっぱり、偏見だ。  勝也は何も言えなくなって、固まったまま動かないのが偏見のある証拠。  前もって言ってたなら、絶対に付き合えていなかった。 「とにかくバイト以外で、しばらくの間は会わないようにしてくれ」  勝也は、逃げるようにして部屋を出ていく。  部屋に取り残された私は、ソファーから動けなくなって気が付いたら泣いてた。 「終わっちゃったかな……」  一週間、考えたくらいで決められる事じゃ無かった。  その時は、そのくらいの考えで終わってた。失恋はしたけど、自分の考え方が浅かったで済んでる。  
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