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たまたま大きな紙袋があって、ロッカー内の私物はひとつに纏まった。少し重たいけど、引きずる程じゃない。
「もう、帰る……」
仲の良い女の子に、それだけ言って店の裏口から外に出た。
この子だって、勝也の言った事をある程度は信じてるんだと、思ってしまう自分が嫌になる。
誰にも見送られないで、店を出ていくなんて思わなかった。
「そうだ、DVD返さなきゃ……」
バイトの帰りに寄って返そうと思ってたDVDを、こんな時間に返す事になるなんて予定外でしかない。
返却カウンターでDVDを返して、別のDVDを借りるために店内の棚を巡ってみた。
「あっ、これ見たかったんだ」
話題の、ヒーローモノの映画だった。
でも、手にとれない。勝也も、見たいって言ってた映画だったから。
最新のドラマや映画は、勝也が見たいと必ず言う。だから、会話を合わせる為に必ずチェックしてた。
「今、そんなのを見たら……」
さっきの勝也の目を思い出す。
そう、私を汚いものを見るような目で見ていた勝也の顔も一緒に。
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