第一章 大失恋のその後で

21/38
前へ
/942ページ
次へ
   最初にDVDをデッキに入れる時、携帯の電源を切ってた。それは店のバイト仲間達から、何かしらの連絡が入ったら嫌だったから。  煩わしい音を、遮断したかったし。 「勝也、連絡くれてたりしないかな……」  そんな事は、絶対にあり得ない。  あり得ないのに、無駄な期待を込めて携帯の電源を入れてみた。  マナーモードにしてたから、電源を入れると同時に携帯が振動を続ける。 「嫌な予感がするなぁ……」  振動が止まってから、メールを確認してみた。  未読のメールで一番古いのは、3日前のお昼だった。そこから、何十個かの未読メールが並んでる。  メールを開かないで、誰からのメールかだけ確認してみた。 「あるわけ無いよね……」  勝也からのメールは無い。  諦めの中、小さな絶望を感じながら古い順にメールを開いていった。  ほとんど、バイト仲間達からのメール。  勝也の言葉が本当なのか確かめる内容が一部で、残りは私の事を嘘つきとか汚いとかって、非難するメールの内容ばかり。  
/942ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4160人が本棚に入れています
本棚に追加