第一章 大失恋のその後で

22/38
前へ
/942ページ
次へ
   私の事を非難するメールは、3人くらいの女の子が何回も繰り返し送っていた。  それはバイト仲間でも、殆んど話した事が無い子だった。  ただ、その子達は勝也が好きだって噂を聞いた事がある。 「私の何を知ってるのよ……」  強がってメールに文句を言ってみたけど、落ち込んでる気持ちは余計に沈むだけだった。  そして、バイト関係者からのメールを全て削除した。  もちろん、勝也からのも。 「そうだ、着拒しとこ」  私を避難した子と勝也は、メールも電話も着信拒否する事にする。  こっちのアドレスから消したって、メールが来るのがかなり面倒だから着信拒否にしておいて、しばらくしてから消去しようと思った。 「また、メール……」  着信拒否の操作をしようとした時、新しいメールが入った。  どうせ、3人の女の子の中の誰かだろうって思ったけど、違っていたらと思ってメールを開いた。 「お母さん……」  メールは、お母さんからだった。  2週間に1回くらい、お母さんからのメールが来る。今回も定期連絡くらいのつもりで、メールをくれたんだろうな。  
/942ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4161人が本棚に入れています
本棚に追加