第一章 大失恋のその後で

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           1    独りぼっちの部屋。  携帯の電源を切ってるから部屋の中で音を出してるのは、何十時間か分からないくらい付けっぱなしのテレビだけ。  3日前に借りた5枚のDVDは、4回のローテーションを繰り返したけど、内容は全然頭に入ってこない。  どのDVDも知らない俳優さんが出ていたり、めちゃくちゃ古かったりするのもあるけど、心理的に落ち込んでるから入って来ないんだろう。  しかも、恋愛映画や恋愛ドラマだし。  失恋したのにラブラブな感じのストーリーじゃ、真剣に見る気にもならないし。  じゃあ何で借りたかって言うと、他に無かったからとしか言えない。  アクション物は、暴力いや。  コメディやお笑いは、気分じゃないし。  スポーツは、ルールを知らない。  ホラーやサスペンスは、以ての他。  とにかく、大きな音がしたり騒がしいのは嫌だった。 「でも、音が無いと……」  だからって、音楽を聞く気分にはならない。思い出の曲なんか流れたりしたら、どうなっちゃうか分からないし。    
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