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ラーメン屋でデートなんてちょっと寂しいけど、二人ともお金は無いから贅沢は出来なかった。
特に勝也はバイト代を、バンドのスタジオ代とかにつぎ込んでたから、バイト中の食事代も節約する。
「美味しかったね」
「あぁ、安かったしな」
歩いて駅に帰りながら、何となく会話につまった。
勝也の緊張が、何となく伝わってくる。
いつもなら駅まで勝也に送ってもらって、さよならしてから電車の中でメールをする。
今日も、そのつもりだった。
「今日は、まだ離れたくないんだよな……」
もうすぐ駅って場所で、勝也がポツリと言った。それを言う為に、緊張してたんだ。
そして、その言葉の意味も分かった。
キス以上の事がしたい。
勝也の目が、そう言ってるように見える。付き合って3ヶ月、何も無いなんて男の人にとって、我慢できないのは何となく分かる。
それに、私だってそれを望んでる。
「うちに来る?」
「良いのか?」
「うん、もう3ヶ月だもんね。それに、聞いてもらいたい事もあるし」
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