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新しい私?
…意味不明。
「はぁ?意味わかんない…」
呆れながら、溜め息をつく。
すると光牙は嬉しそうな顔をしたまま、言った。
「だってお前ずぅっと無関心だったじゃん。こうやってさ、お前の感情見んの初めて」
それが怒った照れ顔でも…
「ホントのお前を垣間見た感じっ」
……。
私は、長い長い溜め息をついて、立ち上がった。
「…アホらし」
そう言い残し、光牙に背を向け、歩き出す。
「もう帰んのか?」
「ん」
「弁当置きっぱだぞ」
……。
「いいよ、あとあげる」
「マジで!?」
背中越しに聞こえる、嬉しそうな声。
「…明日、洗って返して」
「おうっ」
私はドアノブに手をかける。
「ありがとなっ!ぜってー明日、洗って返す!!」
私は、振り向き、言った。
「…ガキ」
ドアノブを回し、屋上から出た。
こんなこと言われて、光牙が怒らなかったのは多分…
私が、微かに笑ってたから、だと思う。
自分で意識しないうちに、自然と口元がほころんでいた。
私の日常は、確実に変わり始めていた…。
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