紅と光牙と川元しずか

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……。 只今、六時間め。 ……鬱陶しい。 川元しずかが消しゴムのカスをいつもにも増して投げてくる。 何なんだろ? …ていうか、光牙の方向からは寝息が聞こえるんだけど。 ひょっとして、寝てる? いやいやいや、それはないでしょ。 私達は受験生だよ? 高校受験控えてんだよ? うん、きっと空耳。 「…嶋岡!!廊下に立ってろっ!!」 あれ? マジで寝てたの? 光牙はとぼとぼと教室から出ていった。 …よく授業中寝れるなぁ。 私じゃあ考えられないよ。 放課後。私は委員会の仕事ですぐに帰れなかった。 かなり時間がかかって…そのころにはほとんどの部活が活動を終了していた。 「はぁ…私帰宅部なのになー」 ようやく仕事を終わらせて、帰る支度をしながら私は小さく呟いた。 帰ろうと、教室を出ようとしたら… 川元しずかを中心に、三人の女子に引き止められた。
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