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「そ、そうした方が……いい……かな?」
俺達はその公園からスタコラと逃げ出した。
‡‡‡‡
俺達は公園の隣にある廃棄ビルの中に入った。
この中なら誰もいないし、大丈夫だろうと俺はふんだ。
「とりあえず聞きたい事は二つ、お前の名前と……さっきの“芸当”についてだ」
正直自分はあんまり問題には首を突っ込まないタイプだと思っていた。厄介ごとに巻き込まれて、いい思いをした奴はいない事を知っているからだ。
……故に今の自分に不快を感じていたんだが。
「……分かりました。下手に勘ぐられても困りますしね」
少し唸った後、観念したのかその口を開いた。
「ただし!!……誰にも言わないで下さいね」
念を押すような口ぶりだった。俺は黙ったまま、コクンと頷いた。
「私は……その人じゃなくて、何といいますか…………あそこから来たんです」
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