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彼女の質問タイムが終わった後、俺は彼女のことも教えて欲しいと、彼女に頼んだ。彼女は、専門学校でデザインの勉強をしながらセレクトショップでシルバーアクセサリーのデザイナーとして働いていること、週末フリマに店を出していることだけを話した。それ以上俺は聞かなかった。聞かなくたって知りつくしていた。 大好きだ。 その夜から彼女は俺の部屋の住人になった。もうすぐ二十歳になる初夏の夜、俺は初めて大好きな人を抱く喜びを知ったんだ。
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