星空

2/5
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
やるしかないと思った。 そうだ、やるしかない、今日だ! 気合いを入れた瞬間、昨日あんなに丁寧な字で書いて、用意しておいたメモを忘れたことに気付いた。 ………まぁ、いい。計画続行だ。 財布の中にあった、昨日の昼休みにツレと食べた吉牛のレシートの裏に俺の番号を書く。 灰皿に群がるおっさんの目を盗んで、彼女のロッカーにそれを貼った。 なにげない顔をしてタイムカードを押し、帰る準備をするフリをして時間を稼いだ。 しばらくして、あの茶色い瞳の彼女が、少し慌てたようにそれをかばんに押し込んでいるのが見れた。 俺の恋が動き出した。星は俺を応援しているかのように瞬いていた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!