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やるしかないと思った。
そうだ、やるしかない、今日だ!
気合いを入れた瞬間、昨日あんなに丁寧な字で書いて、用意しておいたメモを忘れたことに気付いた。
………まぁ、いい。計画続行だ。
財布の中にあった、昨日の昼休みにツレと食べた吉牛のレシートの裏に俺の番号を書く。
灰皿に群がるおっさんの目を盗んで、彼女のロッカーにそれを貼った。
なにげない顔をしてタイムカードを押し、帰る準備をするフリをして時間を稼いだ。
しばらくして、あの茶色い瞳の彼女が、少し慌てたようにそれをかばんに押し込んでいるのが見れた。
俺の恋が動き出した。星は俺を応援しているかのように瞬いていた。
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