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彼女に初めて会ったのは、専門学校にも慣れた、2年生になったばかりの春だった。
今日も男臭い俺の部屋で、ツレと、大好きなバンドの新しいシングルについて語る。
窓から花見をする人達が見える。
「なぁヨシ、たまには人混みの中に行くのもいいんじゃない?」
ツレに誘われて、花見でにぎわう川沿いの道を歩く。
一際人でにぎわう場所があった。公園の中に、休憩所とフリーマーケットスペースが設置されている。
「焼き鳥食いてー!」ツレが休憩所の中の焼き鳥屋を指差す。
「……わかったよ。」
焼き鳥片手に公園を散策する。
「おい見ろよヨシ、これ、GLAYのしてるやつみたいじゃね?」
ツレが食い付いたのはシルバーアクセサリーを売る店だった。
ヤクザみたいなおっさんが店番をしている。「それ、うちのオリジナル商品なんですよ。」
おっさんは見た目と違って愛想がいい。
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