2/4

12人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
彼女に初めて会ったのは、専門学校にも慣れた、2年生になったばかりの春だった。 今日も男臭い俺の部屋で、ツレと、大好きなバンドの新しいシングルについて語る。 窓から花見をする人達が見える。 「なぁヨシ、たまには人混みの中に行くのもいいんじゃない?」 ツレに誘われて、花見でにぎわう川沿いの道を歩く。 一際人でにぎわう場所があった。公園の中に、休憩所とフリーマーケットスペースが設置されている。 「焼き鳥食いてー!」ツレが休憩所の中の焼き鳥屋を指差す。 「……わかったよ。」 焼き鳥片手に公園を散策する。 「おい見ろよヨシ、これ、GLAYのしてるやつみたいじゃね?」 ツレが食い付いたのはシルバーアクセサリーを売る店だった。 ヤクザみたいなおっさんが店番をしている。「それ、うちのオリジナル商品なんですよ。」 おっさんは見た目と違って愛想がいい。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加