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「篠崎君は…怒らないの?」
桜花は顔を引きつらせながら篠崎に尋ねる
「どうして僕が君を怒るの?」
不思議そうに篠崎は桜花に問いかけた
「どうしてって…私は篠崎君を馬鹿にしたんだよ…普通は怒る所だと思うんだけど…」
怒らない篠崎に困惑気味に桜花は言った
「だって僕が君にどう思っているか聞いたんだよ。くすっ」
尋ねた桜花に篠崎は笑顔で答えた
笑顔の篠崎に対し桜花は苦笑いをしている
…馬鹿にされて怒んないって…篠崎君って王子って呼ばれてるけど、王子の前に付く字がある…馬鹿王子だなこりゃ…
そう思いつつ桜花は白い目で篠崎を見ている
「桜花ちゃんの返事を聞かせてくれる?」
笑顔で篠崎はそんな桜花に問いかけた
「…返事はって…だって私はあまり篠崎君のことを知らないし…とっ取り合えず先に手を放してほしいんだけど…」
引きつり顔で桜花はで腕を掴んでいる篠崎に言った
「ごっごめんっ」
そう言って篠崎は慌てて桜花の掴んでいた手を放す
「…悪いけれど、やっぱり篠崎君とは付き合うことは私は出来ないです」
桜花は篠崎に面と向かってはっきりと言う
「…さっき…僕のことを知らないからって桜花ちゃんは言ったよね?」
篠崎は付き合えないと言う桜花に問いかけた
「…そう…ですけど…」
桜花はぽつりと答える
「付き合ってみて僕のことを知るってゆうのはどうかな?」
篠崎は桜花に尋ねた
「えっ!…付き合ってみて私が篠崎君を知る?!」
桜花はそう言うと突拍子もない篠崎の発想に目を丸くする
「うん」
満面の笑顔で篠崎は答えた
…うんって…おい…あたしは無理だって言ってんだよ…ムチャクチャ言う奴だったんだな馬鹿王子…
そう思いながら篠崎を桜花は呆れ顔で見ていた
「と言うわけでよろしくね、桜花ちゃん」
嬉しそうに篠崎は桜花に言う
「はぁ!」
よろしくと言う篠崎に桜花は分けがわからず呟く
「僕達は今から恋人同士だね」
呟く桜花に対し篠崎は笑顔で言った
「……恋人同士って私は篠崎君と付き合うと決めたわけではないんですけど…」
困惑気味に目を細めて桜花は篠崎に言った
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