1

10/12
前へ
/33ページ
次へ
「俺は、俺というやつは、魔王を殺すことがすべてだった。それがこの俺勇者であり、勇者が俺である所以だったんだ」  勇者はゆっくりと言葉を続ける。 「……だから、正直言って、わからない。俺がこれからどうすべきなのか、何をなすべきなのか。どうすれば、俺が俺であることができるのか」  そう言い終え、嘆息。そのまま押し黙る。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

295人が本棚に入れています
本棚に追加