295人が本棚に入れています
本棚に追加
勇者の言を聞き魔女は思う。
それならば、
そうであるならば、
存在意義が消失したのならば、
辞めればよい、と。
勇者を辞めればよい、と。
もう役目は終わったんだから無理することなく辞めればよい、と。
しかし、魔女はそのことを言わない。
言えないのだ。
傍若無人、他人のことを気にしない冷血な心を持っていた、そんな魔女にだって勇者の気持ちを推し量るくらいの分別はある。
彼、勇者は、勇者自身は、勇者であるからこそ、ここまでこれたのだ。
そして、勇者であるからこそ彼でいられたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!