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 戦士は正しい男であった。  そして、誰よりも真っ直ぐな男であった。  素晴らしいことを素晴らしいと言い、間違っていることを間違っていると言える男であった。  しかし、それ故に、矛盾に満ちた城での生活は合わなかった。  素晴らしいことに間違っていると言い、間違っていることに素晴らしいと言う城での生活は、戦士自身にとって苦痛でしかなかった。  そして、正しすぎる戦士の存在は、歪んだ王国の上役にとって目障りものとなっていった。
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