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歌が終わると、あの人は拍手をしてくれた。
返事をするが恥ずかしくって、私は歌を口ずさむ。
口ずさむと、歌を聴いていたあの人も一緒に口ずさんだ。
違う音程なのに、私のメロディーとその人のメロディーは自然と交わった。
練習したことがないのに、息が合ったメロディーが私とあの人との間で成立した。
歌が終わると、あの人は微笑みながら拍手をした。
胸が張り裂けそうになった。
それを隠すように私はまた歌を口ずさむ。
私が歌うと、その人も合わせて口ずさむ。
こうやって誰かと一緒に歌うのは久しぶりだった。
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