小さなコンサート

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振り返ると、そこには私の友達が立っていた。 私と目が合うと、大きく手を振ってくれた。 傍では楽しそうにあの人は歌い、遠くでは友達が応援してくれる。 硬直していた体が緩んだ。 喉に詰まっていた歌声が、勢いよく口から飛び出した。 あの人と歌ってきたときのように自然と声を出せた。 私のメロディーとあの人のメロディーが交りあう。 合わさったメロディーが辺りに広がっていくような気がした。
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