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[鴉ー庭でこんな生き物みつけたー!!!!]
零番隊の隊舎を俺は駆け抜けていた。手に生き物を忍ばせながら。
鴉の部屋へ滑りこむ、うざったそうな鴉が書類から筆を離した。
[んだよ、牙狼…てめぇの話に付き合ってる暇……お前手みろ手]
鴉の目が見開かれる。え?手がどうしたって?自分の手をみる…。真っ赤な雫が手から出ていた。まさか走ってくる時潰しちゃったかも…。
[うっひやぁ!!鴉ぅ…鴉どうしよう…俺…俺潰しちゃったかもぉ…]
おそるおそると手を開く、そこには元気なハリネズミがいた。
ハリネズミの刺がささって自分の手を傷つけていたのか…。
[鴉!みてみろよ!!潰れてない!生きてる!!ハリネズミ!!かわいいだろ!!]
鴉の前にハリネズミを差し出す。
鴉に腕を捕まれた。
ハリネズミがきゅっ!と鳴いて下に落ちて鴉の座っていたイスの影へと走っていってしまった。
[鴉!なにするんだよ!!ハリネズミがにげちゃう!]
振りほどこうとしたけど鴉は離してくれなかった。
鴉をみる…うわぁー怖い顔が…。
[てめぇーその出血ほっとくと死ぬぞ…]
そういいながら髪を止めていた紐で止血をした。
[薬箱もってくるからおとなしくしてろよ…あと手あげてろ心臓より上にな]
俺は言う通りにする…鴉が奥へ消えていった。
足元にハリネズミが駆け寄ってくる。
かぁいいなぁー。
鴉が戻ってくると同時にハリネズミはどこかいってしまった。
鴉は箱から消毒液をだして、消毒する。
染みて痛い…。
[鴉…痛い…]
[我慢しろ…牙狼]
うん、と返事をして我慢する…顔より上に余計に手をあげていたせいか血が顔に少し垂れていた。
鴉がそれを見つける。
ふいに鴉の顔がぐいっとこちらに近付いてきた…顔…ちかい!!
いった。
青い髪が綺麗だな…。
[鴉ー]
[何?]
[好き!!]
[あ、そう]
そっけない返事。
いつもとかわらない…。
いつもと…。
この時俺は知らなかったこの後の夜のしごきを。
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