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[大丈夫なんですか?]
[平気だよ、傷も大した事はなかった…麻酔つかったからもうすぐ目をさます]
[そうですか…]
声が聞こえる晶(あきら)と先生だった。
どうやらここは、病院らしい帰り道に車に引かれたらしい僕は目をさました。
空ろな目に晶がうつった
[あき…ら?]
声をかけると晶が花をさしだす
[ほい、花]
体を動かそうとして晶にとめなられた
[平気かよ?]
僕は酸素マスクをはがし晶の花を受け取る
[平気^^ごめんな晶…学校の帰りにこんな所までつきあわせちゃって]
体を起こし点滴の台をよけながら靴をはく
[これ、水いれるな]
晶の横をとおって個室にある洗面台の栓をひねる
[俺がやろうか?]と晶
[平気^^]
笑顔で答える僕に晶は顔をしかめた
[心配した…]
晶はベッドを見つめて下をむいてる
僕は花を活けてベッドの横に置きベッドにすわる
[嘘つけー僕が怪我したってあんま心配しないじゃんいつも]
[まぁね^^]と晶
暑い夏の日差しが入って来た。
僕は口をひらく
[ほのぼのするね]
[そうだなぁ…]
僕はベッドに横になった
晶は布団をかけてくれながらいった
[傷まだ痛む?]
[大丈夫…でもまだ眠い]
[寝たら?]
[うん…そうする]
といって僕は布団に頭をうずめた。
晶は、携帯をとりだす
[俺そろそろ帰るし]
メールをうち終わったらしい晶は携帯を閉じ入口にむかった。
僕はあわててベッドからでる
[晶!見送りするよ!]
ふりかえって晶が笑った
[いいって寝てろよ歩]
僕はベッドに入りなおした
晶は手をふり[また会いに来るからさ]といってさってしまった
窓からは今年一番の蝉の声が聞こえた
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