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一時間後。
史花さんの家につく、史花さんの家はいかにも高級マンションって感じで。
史花さんは、僕をリビングのソファーへと座らせた。
「ちょっと待っててね。ワインを持ってくるわ。」
そう言って史花さんは、キッチンへと消えていった。
残された僕は、濡れた上着を脱ぐとリビングを見渡す。
アンティークの椅子が並べられ、花瓶やソファーなども綺麗に手入れされていた。
窓からは雨で霞んだ東京タワー 。
「お待たせ。」
史花さんからワインのボトルを受け取り栓を抜く。
ワインの香りが周りに充満した。
二人分のグラスにワインを注いでお互いに少し飲む 。
「本当に暑くて嫌ね。」
「本当に暑いですよね。」
そう言って史花さんをぎゅっと抱きしめた。
史花さんが驚いて息を止めたのが伝わった。
史花さんが僕の身体から抜ける。
「ちょっと、貴方びしょびしょじゃない。今変えの服を持ってくるから。 シャワー浴びて、脱いだものは洗濯籠に入れておいて大丈夫よ。」
史花さんは、そう言って奥の部屋に消えていった。
僕は脱衣所で濡れたネクタイとYシャツを脱ぐ。
後ろからふわっと史花さんが僕を抱きしめた。
「これ、着て。
「ありがとうございます。」
礼をいってシャワーを浴びる。
お風呂から上がって史花さんが渡してくれた服を身に着ける。
「似合ってるわ。」
「そうですか?」
「似合うと思って歩くんに買ったのよ。」
「ありがとうございます。」
そう言って僕は、ちょっとはにかんだ。
史花さんが僕にって買ってくれた服が似合うって褒められて照れ臭かった。
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