貴女に捧げる太陽の花

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  … 「あれぇ~どこ行ったんだ?」  ユウの案内が始まり数分が経つ。が、蘭華とユウの二人はまだ向日葵畑を右往左往していた。  二人の身の丈程ある向日葵を掻き分け進むユウの背中を見つめ、その後ろを歩く蘭華は思わずため息をはいた。  初めはこんな筈ではなかったのだ。  ユウの主、名を“風見 幽香・カザミ ユウカ”を訪ねる為、ユウと幽香が“同棲”する家に訪れたが、生憎留守。  ユウが言うにはどうやら幽香は気まぐれらしく、何処にいるかわからないらしい。 「まだ見つからないのか?。幽香ってお姫様は」 「止してくれ。そうゆう関係ではないんだから」  向日葵を掻き分ける手を止めずユウは呟いた。  蘭華が幽香をお姫様と呼んだのには理由がある。  ユウから聞いた話では、成り行きでユウは幽香の騎士(ナイト)になったらしい。 それを聞いてから蘭華は幽香を“騎士(ユウ)が護る姫”という意味を込めお姫様と呼んでいた。 「そうゆう関係?ユウは何を考えているんだ?」  蘭華は悪戯な笑みを浮かべ、ユウの背中を見据える。……半分からかっているのも事実だ。  ユウがうぅと言葉を詰まらせるのを蘭華は実に楽しそうに眺める。
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