貴女に捧げる太陽の花

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 それからも続けられていた蘭華のお姫様攻撃。  だがそれも、ユウが切れると言う形で幕が掛かった。  ユウが切れて数分。  二人は何も喋らず淡々と歩を進めており、辺りは気まずい雰囲気が纏っている。 「……いた」  消え入りそうな程小さいユウの呟き。  途端、二人の視覚が開かれ、一段と明るい光に照らされる。  それも一瞬の事で、蘭華は目をしょぼつかせながらも目の前の光景を視界に捉えた。  開かれた先には一本の樹木が眼下の向日葵畑を見守るように聳え立っていた。 その巨大な根元に碧の髪を靡かせた一人の女性がいる。  彼女の後ろ姿は余りにも綺麗で悠然としていて、蘭華が魅了されるには十分過ぎる。 「あれが俺の主である風見 幽香だ。蘭華と同じ風見の姓を持つ人」  主を前にした召し使い。今のユウにはその言葉が合うだろう。  さっきとは全く違った華麗な動きで蘭華に一礼する。 「あらユウ。帰ってたの?」  そして主、風見 幽香がゆっくりと振り返った。
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