貴女に捧げる太陽の花

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 振り返った幽香は初め蘭華に気付いておらず、ユウにおかえりと微笑んだ後で初めて蘭華に気付いていた。  幽香は目を細め、首を僅かに傾けユウに問う。 「客人?それともユウのかの――」 「「それは断じてちがう!!」」 「……仲がいいのね」  息の合ったプレーを見せた恥ずかしさからか、ユウと蘭華の二人は頬を赤らめる。  それを本当に可笑しそうに見つめていた幽香はやがて、それで?と自己紹介するよう蘭華を促した。 「……あ、あぁ。私は風見 蘭華だ幽香とは同じ姓だ、よろしく」  “風見 蘭華”。その名前を聞いた時、幽香の目が一瞬見開かれた。  まるで幻を見るような目でゆっくりとした足どりで若干離れた蘭華との距離を縮める幽香。  蘭華はそれを握手をする為だと思い、幽香が近くまで来るのを待っていた。  数分、否数秒経ち、蘭華に手が届く所まで近づいた幽香はその手を伸ばされた蘭華の手ではなく頬に当て、呟く。 「貴女……本当に蘭華?」  一つ一つ確かめるように頬から鼻、唇と幽香の細い指が線をなぞる。  その時の幽香の眼差し、語り掛ける声はまるで子を前にした親のよう。  だからこそユウは二人と距離をとり、蘭華は幽香の指を拒まなかった。
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