貴女に捧げる太陽の花

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 人が動く事で発する熱ではない。  まるでぬるま湯に浸かったような温かさを帯びた彼の手。  その温度に私の身体は過敏な反応を現した。  身体が無意識に肌寒くなり、腕には鳥肌が立ちはじめる。 「お前は?」  彼とは視線を合わせない。何故だかわからないが、きっと本能的なものだろう。 「あれ、僕の事がわかりませんか?。ん~洫兎が失敗する筈はありませんよね」  何を悩んでいるのか、彼は私の前で唸り声をあげ始める。 「あッ!わかりました。“再認”が出来てないんですね。……あぁ気にしなくていいですよ、顔は知らず名前だけ知ってるなんて誰でも混乱しますから。  では改めて、私は“射影丸 淦・シャエイマル アカ” 貴女と同じ神側の駒です。」  一息で全てを話した淦。  彼によろしくと伸ばされた手を私は握り返す。  ――不思議と寒気が消えていた。  もう淦は私の知り合いだ。能力、外見、口調、知っている淦の情報全てが私の頭に再生され始めた。  これが再認というやつなのだろうか?  今なら確信を得て言える。こいつは射影丸 淦だと。 「それはよかったです」  淦が嬉しそうに笑った。
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