神の暇潰し

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私は赤十字 婪崋に視線を向けた。 婪崋は木の影に隠れており肝心の顔は見えない。 ただ、婪崋という読みが同じ名前を持つ者として私は少し彼女を特別視していた 「つまらないゲーム?」 そ、と婪崋は無愛想に頷き私の方へ歩み寄ってくる。 「だってそうでしょ? 殺し合いなんてただの建前。相手が戦意を失えば退け……だそうよ」 ハサミで切り揃えられ、肩まで伸びた血のように鮮やかな朱の髪、それに揃えられた全てを見透かす紅い瞳 月明かりに照らされた婪崋の顔は何処か私に似ていた。 「殺すか殺されるかの臨界感……それが殺し合いでしょ? 私はそれがしたいのに」 貴女もそうでしょ、と子供のように無邪気に笑い婪崋は私に同意を求めてきた。 やはりそうだ。 私と婪崋は似ているがそれでいて決定的に違う存在。 婪崋は殺しを好むようだが私は違う、 「お前と一緒にするな 私は殺し合いなどしたくない」 私は人を殺さない。 「そうゆうのをエゴって言うのよ蘭華 貴女は私と同じ人を殺したいはず」 吐き捨てるようにそれだけ言い婪崋は踵を返した。 「そうそう最後に良い事教えてあげる。私の担当レミリア・スカーレットは貴女の知人よ」 婪崋が言った事が何を意味するか私はわからない ただ、婪崋が最後に見せた笑みだけが脳裏に深く焼き付いた。
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