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「何って、アイスだけど?」
問い掛けられた馬鹿は首を傾げ当たり前の事をほざきやがった。
その回答は俺が求めたものじゃねぇ。
「違うだろ?。俺が求めたのは苺味のアイスだぜ?。なのにお前……よりによって抹茶!?」
「いやいやいや、細かいだろ!?食べれるならなんだっていいじゃん!」
駄目だこの馬鹿。アイスのなんたるかがわかっちゃいねぇ。
――大きく息を吐き、俺は手に持ったアイスを馬鹿に投げた。
「――で、話ってなんだよ」
「いや……これといって無いけど……」
「なら作れ」
馬鹿の奴、そう言った途端、“アイスに手を付け”何か考え始めやがった。
……こっちは汗だくだっていうのに。
「――じゃ、じゃこれ知ってるか?。その名も『赤毛の貞子さん』」
「知ってる。あれだろ?赤髪を腰まで伸ばした目が前髪で隠れてる女。全国の神社を渡り歩いてるとか」
「そうそう!。なんでもそいつ、この近くの神社に来るらしいぜ」
何が嬉しいんだか、興奮しながらその噂を語り始める目の前の馬鹿。
その間目の前の馬鹿はアイスを食い続けるわ、つまんないわで俺はずっと窓の外を眺めていた。
……赤毛の貞子、か。行ってみようかな。
暇だったから、この時の俺はそんな事を考えてしまったのだろう。
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