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◇
「罹廻 愁音君」
凛とした声が聞こえてきて俺の意識は戻された。
どうやら一度意識を失っていたらしい。
目が覚めたら全てが夢。なんて展開じゃなく、俺は神社とは全く違う場所に放り込まれていた。
今いるのは気持ち悪い目玉が浮かぶ変な空間。……平凡に生きてたら絶対に見る事はなかっただろうな。
……てか、ここ何処だ?
「お~い、聞いてる?。まぁ聞いてなくてもいいけど。……私は困らないし」
なんか知らないが、この頭に響いてくる声の主、自分勝手すぎないか?
内容は知らないが聞き逃さないよう注意しないと。
「黙って聞きなさい。貴方には“賢者側の駒”になってもらうわ。
神側の駒は五人。賢者側の駒も五人。……向こうで会えるけど、私も賢者側の一人よ。
貴方の担当は“紅魔館”ね。
準備期間は三日。その期間に向こうの知識を頭に入れときなさい。
……あぁ最後に“幻想郷へようこそ”罹廻 愁音君」
声の言った通り、本当にこれが最後だった。
再び何の前触れもなく薄れていく意識。
目の前がだんだんと闇に染まり始める。
「――忘れてたわ。あの子、恐夜と仲良くしてちょうだいね」
……恐夜って誰だ?
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