学校と書き、戦場と読む

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朝の目覚めは最悪。 なぜ朝になると目を覚ましてしまうのか、冬眠くらい長く眠っていたいのに。 あちい…… 寝ているときは感じなかった暑さを布団の中で体感してしまい、嫌々ながら布団から脱出し、床に転がる。 冷たい……なんて気持ちが良いのだろうか。 だが、すぐに体温が床に移り、ぬるくなる。 俺はゴロッと一回転して冷たい場所に移る。 何度か繰り返していると嫌でも頭が冴えてきてしまう。 仕方なく学校に行く支度を開始した。 「学校行きたくない」 登校中、昨日あったことを考えると鬱になってくる。 どんな仕打ちが待っているのだろうか。 まさか、上履きに画鋲が入ってるとか。 ラブレターに見せかけての嫌がらせとか。 ま、そんなことはあり得ないな。 ヤバイ時間がない。 時計を見ると8:20を指している。あと10分しかない。 悪い考えを吹き飛ばし、学校へと急いだ。 「…………」 下駄箱のロッカーを開けると俺の上履きの中に剣山が入っている。 何も言えねえ。 さらに横には何やら封筒がある。 恐る恐る取って開けて見ると、真っ白な紙が出てきた。 「逝け」とか「KILL YOU」などとは書かれていなくて安心した。 でも、真っ白はおかしいな。 封筒を確認してみる。 「……………」 封筒の裏には「遺書」と書かれていた。 もしかして、自分で書けってことか。 ファンクラブ過激すぎだろ。 キーンコーンカーンコーン…… ファンクラブの嫌がらせを受け、無情にも俺の遅刻が決定する。 さて、今日は帰ろうかな。 朝からテンションが奈落の底まで下がったが、ここまで来てしまったので仕方なく教室に向かって歩き出した。
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