学校と書き、戦場と読む

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「えーと、それでは何かやりたいものはありますか?意見のある人は手を挙げて下さい」 「バンドやるー」 「演劇だよ、演劇」 「漫才やろうよ」 「……メイド喫茶」 少しは人の話を聞け。 そして最後のは芸術祭の企画ではなく文化祭だ、残念でした。 ざわつくクラスをなんとかまとめ、企画案を聞き出し黒板に書く。 バンド、漫才、演劇など妥当なところが出揃ったところで多数決を取ることにした。 「一人一票でお願いします。では、バンド」 いち、にー、さん、四人か。 こりゃバンドはないな。 「次、漫才」 いち、にー、さん、これも四人か。 と、それを繰り返した結果 「……………」 全部四人かよ。 先生のいいつけ通り俺を困らせなくていいから。 さて、これはどうしたものか。 「待ってるんですけど」 「早くしろー」 「早くしねー」 など罵声が飛んでくる。 最後おかしいのはもうスルー。 「じゃあ、クジでいいで……」 「ふざけんなー」 「もっとちゃんとしたやつにしろー」 「……処刑」 …お前らも考えやがれ。 いまだアイデアが浮かばせようと必死で考えていると、パンパンと手を叩く音がした。クラス全員が一斉に音がした方を向いた。 「こういうので決めるのはどうだ?」 それが全ての始まりだった。
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