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その後、天幕から出た一行は、華琳から任された部隊が集合するところへと向かった。
どうやら季衣や流琉の親衛隊との混成部隊らしかったが、意外にも連携は上手くいっているようだった。
流石は季衣と流琉の部隊、といったところだろう。
宋祐は風たちに部隊の指揮方法や指導方法を教えてもらいながら、自分の腕を磨いていった。
そんなある日、ついに出動命令が下った。
◇ ◇ ◇
「では、割り当ての話をしますね」
宋祐たちは、部隊の近くにある本営の中で集合していた。
その中で、流琉が周りを見、全員の注意が自分に向いているのを確認しながら言った。
「華琳様――曹操様から伺ったのですが、兄様たちは曹操様の護衛部隊を担当することになるようです」
「護衛部隊……ですか?」
「はい、稟さん。私も詳しくは知らないですが」
稟は眉をしかめる。
「我々も随分と信頼されているものですね」
「そうですね~。まあ、季衣ちゃんや流琉ちゃんもいるわけですが」
風の言うとおり、季衣や流琉は元々華琳の親衛隊なのだから、そのまま護衛隊に任命されるのはおかしいことではない。
「……我々の動きを近くで見たいという曹操様の意向だとは思いますが」
「そう考えるのが一番妥当でしょうね」
風は稟の意見に深く頷く。
「……とにかく、今俺らに出来ることを精一杯やろうよ」
「そうですね。宋祐殿の言う通りです。今は与えられた任務を完璧にこなすことだけを考えましょう」
「そうとなれば、早速ですが決めなければならないことが」
「決めなければならないこと?」
流琉は『はい』と言い、こくりと頷く。
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