43904人が本棚に入れています
本棚に追加
/140ページ
――文化祭当日
舞台は再び美弥に戻る。
私達のクラスは開幕から完売まで長蛇の列が途絶えないほどの盛況っぷりで、麗子のメイド姿に見惚れ、席をなかなか立とうとしない客やその場で立ち尽くす客で、教室内は溢れ返っていた。
更に龍之介先輩直伝のコーヒーも人気に拍車を掛けているようで、おかわりの声も多い。
龍之介先輩のコーヒーが生徒会以外の人にも広まるのは嬉しい事だ。
それに未だにコーヒーを一口も飲んでくれず、否認し続ける田辺さんにこの事をアピールすれば、龍之介先輩のコーヒーも認めてくれるやもしれない。
そんな淡い期待を抱きつつ、裏方でひたすらコーヒーを淹れ続けいた。
麗子はというと、毅然とした態度でオーダーを取り続けていたが、ひょっこり裏方に姿を現した。
レイコ「みぃ~やぁ~」
麗子は先程までとは一変した態度を見せる。
ミヤ「麗子、お疲れ様。喉渇いたでしょ? あともう一息だよ」
ミネラルウォーターを手渡すと、麗子は勢いよく飲み干し、大きなため息を吐いた。
レイコ「はぁぁ……ありがとう。すっごい癒される」
麗子の安らいだ笑顔に裏方スタッフが見惚れたのは言うまでもない。
最初のコメントを投稿しよう!