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ミヤ「さっき私がトイレに行ってる間、何か話してませんでしたか?」
秋宵の帰途で衛土先輩に尋ねた。
衛土先輩は月明かりの下、顔をこちらに向け、柔和だけどどこか力強く微笑む。
エイト「…みゃーは奪わせないよって言った」
衛土先輩の甘い言葉に、耳まで熱くなる。
エイト「…リンゴになった。可愛い」
衛土先輩はクスクスと楽しそうに笑う。つられて私も照れ笑いをした。
記憶はまだ戻った訳じゃないけど、こうやって少しずつ折原先輩との記憶を新しい真っ白なキャンパスの部分に塗っていきたい。
悲しく辛い色が多かった過去の部分だけじゃなくて、喜びと楽しさの詰まった希望の未来という色で……。
――翌日。
約束通り、折原先輩は生徒会室に顔を出した。
アキラ「おぉ! 奏じゃん! やっと来たな」
レイコ「ほんと待ってましたよ」
亮先輩と麗子が眩しい笑顔で出迎え、賑やかな雰囲気が戻る。
マリン「また騒がしい日々の始まりですか……」
ため息を吐いて、独り言を漏らす田辺さんに、亮先輩が絡む。
アキラ「真鈴ちゃんも素直に喜べば良いのに~。ほんっと素直じゃないよね」
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