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田辺さんは先程よりも更に深いため息を吐き、要望用紙のチェックを進める。
アキラ「ま~た無視する~。つれないなぁ。真鈴ちゃんは」
そんな田辺さんの態度にもめげずに、亮先輩はニコニコ楽しそうにしている。
マリン「無駄に口を動かす暇があるなら、手を動かして下さい」
亮先輩を見ようともせず、黙々と作業を続ける。
体育大会以来、田辺さんの亮先輩に対する接し方が少し変わった気がする。
生徒会に入会した当初は“真鈴ちゃん”と呼んだだけで、凄い剣幕で不快感を露にしたのに、今では呼ばれても反応を示さない。
諦めたのか慣れたのかは定かではないけど、二人を包む雰囲気は決して悪くない。
私がそんな事を思っている間、孝太郎先輩と折原先輩が何か話をしていた。
コウ「ケリはついたのか?」
カナデ「まぁぼちぼちな。焦らずにいく事にした」
コウ「そうか。やっぱり大河はお前の過去も現在も“キーパーソン”だな」
孝太郎先輩と目が合う。
カナデ「あぁ。これからも美弥は俺にとって“キーパーソン”だろうな……まぁ、今は美弥にはあのマシュマロ王子がいるけどな」
折原先輩はマシュマロを頬張る衛土先輩を見つめ、フッと口角を上げた。
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