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レイコ「大丈夫だよ。田辺さんはこれから劇の練習でしょ。主役なんだから頑張ってね」
麗子の励ましに、田辺さんは眉間にシワを寄せる。
マリン「……嫌味にしか聞こえないわね」
レイコ「えぇ? そんな卑屈に取らなくても良いじゃん。他意なんてないんだからさ」
麗子も平静を保ちつつ、穏便に言葉を交わすが、田辺さんはますます眉間にシワを寄せる。
マリン「……そうかしら? 私が主役なんて、猜忌に満ちたクラスの女子生徒達からの嫌がらせ以外、何でもないわ。貴女もそれを分かってて言ってるんじゃないの?」
田辺さんは麗子の言動に悉く邪推し、麗子も我慢の限界と言わんばかりに、勢いよく席を立った。
椅子がその勢いに負け、後ろに倒れたのもお構い無しに声を張り上げる。
レイコ「ほんっとに懐疑的だね! もっと素直に人の言葉を受け入れたらどう?」
マリン「素直にね……そんな簡単に人の言葉を信用なんてするからバカをみるのよ? 貴女の甘っちょろい持論を私に押し付けないでくれる?」
レイコ「バカで結構だね! 甘っちょろくても人を信じられなくなるより、ずっとマシだよ!」
お互い感情的になり、ヒートアップし出したので、慌てて止めに入った。
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