文化祭

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  主役を況してや“シンデレラ”を演じるのだから、色んな想いがそこに込められているように思うのも無理からぬ事だ。   レイコ「もう刺さりまくりですよ! 穏便に済ませたいのに、ついつい言い合っちゃう自分にも腹が立つし、何より昔の自分を見てる気がして……堪らなくなるんですよね」   夕日が沈みかけ、夜闇が近付く儚くも神秘的なグラデーションの空を、麗子は想いを馳せるようにカーテンを握り締め、見つめる。   ミヤ「麗子……」   友達に裏切られ、誰も信用出来なくなった当時の自分と、田辺さんを重ね合わせているのだろう。   レイコ「何があったのかは知らないけど、私も美弥と出会って変わったように、田辺さんもそういう出会いを大切にしてほしいですね」   麗子はうーんっと両手を組み、天井に向けて大きく伸びをした。   アキラ「麗子ちゃんは益々良い女になっていくよね。孝太郎が羨ましいな」   亮先輩は茶化すように言うと、視線をこちらに向けた。   アキラ「もちろん美弥ちゃんも良い女だからね」   親指を立てて、ノリ良く言われても、ついでに言われているような気になりますよ……亮先輩。   そう心の中でこっそり呟いたのは、亮先輩には秘密にしておこう。    
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