ﾏｼｭﾏﾛ(2)

文化祭

　
文化祭を三日前に控えた校内はお祭りムード一色だ。

あともう少しで完成する小道具や看板などが、教室の隅に固められ、パンフレットも刷り上がってきた。

生徒会のメンバーも各々クラスの出し物に参加する事になっている為、うちのクラスは麗子という超絶美少女を武器に、メイドカフェを出店する。

私はというと、もちろん裏方担当だ。理恵や優月達はメイドとして活躍するようで、今日は最終衣装合わせの為、麗子達がメイド服に袖を通す。

首元までしっかりボタンが留められ、襟や袖口はフリルをあしらった白に、黒を基調としたパニエを盛り込んだ膝下スカートの絶妙モノトーン。清楚ながらに品のあるメイド服に仕上がっている。

縫製の得意な家庭科部と、パッチワークを得意とする衛土先輩のお母さんやメイドカフェのマスター蓮さんという心強いバックアップの賜物だ。

麗子がメイド服を着るという噂を聞き付けた衛土先輩のお母さんと、蓮さんが喜んで手伝ってくれたのは言うまでもない。

メイド服に身を包んだ麗子が出てきた瞬間、フラッシュの嵐だ。携帯やデジカメのシャッター音が教室中にこだます。

麗子のメイド服を見慣れていたはずの私でさえも、息を呑む程の可憐さだ。