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廊下側の窓にも所狭しと押し合いへし合いしながら、麗子のメイド服を一目見ようと、黒山の人集りが出来ている。
リエ「相変わらずアイドル並みの人気っぷりだね」
ユヅキ「凄過ぎてちょっと引くよね。麗子、大丈夫?」
理恵と優月がやれやれと近付いてきた。
二人ともメイド服がよく似合っている。
レイコ「ほんと……肖像権もあったもんじゃないよね」
麗子もため息混じりに零す。
私達の教室がざわついていた頃、別の教室でも歓呼の声が上がっていた。
二年の教室で、黒の燕尾服にネクタイを締め、白の手袋を口でくわえながら、カーテンから出てくる眉目秀麗な執事姿の孝太郎がいた。
ここでも当然フラッシュとシャッター音の嵐だ。
コウ「窮屈な格好だな」
孝太郎は不服そうにしている。
孝太郎のクラスの出し物は多数決で圧倒的勝利を収め、執事カフェに決まったようだ。
孝太郎の執事姿を見たいという女子生徒からの要望がダントツで多かったらしい。
一説には麗子のクラスへの対抗策として出店されたという噂もある。
コウ「俺様がこんな恰好してやってるんだから、出店部門で一位取らなきゃ許さねぇからな」
孝太郎も満更でもなさそうだ。
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