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アキラ「あっちゃー……真鈴ちゃん、ごめん。眼鏡弁償するよ」
壊れた眼鏡を真鈴に差し出す。
真鈴はその眼鏡を無理矢理掛けようとしたが、ひしゃげたフレームのせいで掛けられない。
アキラ「ほんとごめんね。予備の眼鏡かコンタクトは持ってる?」
マリン「教室に戻れば、コンタクトがありますから、嫌ですけど、やむを得ません」
真鈴は立ち上がり、壁伝いに歩き出す。
アキラ「ちょっと待って! ボヤけて見えないんでしょ? 俺の腕に掴まって歩きなよ。それかおんぶしていく?」
亮が駆け寄り、声を掛ける。
アキラ「それにけっこう激しくぶつかったから、怪我させてないかも心配だし、保健室にもいこう。掴まって」
真鈴の手を無理矢理自分の腕に絡ませる。
マリン「やめて下さい! 一人でも平気ですし、貴方が事の元凶なのに、これ以上私を怒らせたいのですか!?」
強い口調で突き放そうとするも、亮は微動だにしない。
アキラ「抵抗するなら、本気でおぶってくよ。それはさすがに嫌でしょ?」
体育祭の時のような真剣な口調に、真鈴は諦めた表情で、亮の服を掴む。
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