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マリン「よくそんな歯の浮く台詞が言えますね。言ってて恥ずかしくないのですか?」
真鈴は亮に気取られないよう、必死に平静を装いながら、握り締めた手はジワリと汗ばんでいた。
唐突にしゃがみ込む亮に驚いて、真鈴は後ろに一歩退く。
アキラ「……やっぱり、ちょっと膝擦りむいてる。今から保健室に行こう」
よく見ると、右膝の皮が剥け、薄ら血が滲んでいる。
……気付かなかった。
膝を負傷していると気付いた途端、痛みがジワジワと鈍くし出す。
マリン「ほんのかすり傷ですから、平気です。貴方といると、またトラブルに巻き込まれそうですし、もう練習が始まる時間なので、行かないといけませんから」
強気な態度を崩さず、真鈴は教室を出ようと歩き始めたが、その腕を掴まれ、教室にとどまる。
マリン「放して下さい! 私を遅刻させたいのですか!?」
真鈴は焦慮に駆られ、語尾を荒げると、廊下を歩く生徒達の注目を集めた。
アキラ「責任感が強いんだね。だったら、尚更消毒して、ベストコンディションに近付けるのも責任感の内なんじゃない?」
亮は降り注がれる視線もお構い無しに、真鈴に問い掛けた。
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