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マリン「それくらいの事は言われなくても弁えていますし、貴方に構われたい人がたくさんいるのですから、私ではなく、その人達を構ってあげて下さい!」
真鈴は勢いよく亮の手を振り払い、教室を出た。
「え? 今の人ってまさか田辺さん?」
「うっそ!? あんな美人だったっけ?」
「えぇー!? いつも眼鏡でひとつにくくってるから分かんなかったよー」
廊下が騒然となる。
真鈴は深いため息を吐き、「だから嫌なのよ」と、ボソッと呟くと、足早に体育館へと向かう。
アキラ「刺はなかなか抜けないか……」
亮は真鈴の後ろ姿が見えなくなるまで、視線を送った。
教室に取り残された亮はしつこく追い掛けてきたクラスメイトを撒く為、三年の階まで逃げ延びてきた。
アキラ「はぁはぁ……あいつらいつになったら諦めんだよ」
亮は両手を膝の上に置き、屈伸するようなポーズで肩を上下に動かしている。
マコト「あっれぇ? 亮、何してるの?」
不意に声を掛けられ、振り返ると誠が不思議そうに首を傾げている。
アキラ「おぉ! 誠じゃん」
亮は呼吸を整えて、逃げてきた経緯を誠に話す。
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