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経緯を聞いた誠は妙案が浮かんだのか、表情を輝かせ、亮に耳打ちする。
アキラ「……それのどこが良いアイデアなんだよ。結局俺もドラキュラの恰好すんじゃん」
誠の案に対して不満そうな反応を示す。
マコト「一人じゃないから良いじゃん。それに面倒事を押し付けようって言うよりも、亮が適任だと思ったから皆は言ったんじゃないかな?」
秋の冷たい風が廊下を吹き抜ける。
マコト「なんだかんだ言っても、亮の中ではもう答えは出てるんじゃない?」
穏和に諭す誠に屈服した亮は、提案を呑んだ。
リュウ「さすがの亮も誠には敵いませんね」
後ろから廊下を歩く龍之介が声を掛ける。龍之介の隣には彩音も立っていた。
アヤネ「誠様は亮様の事をよくご存知ですものね」
二人の醸し出す雰囲気は落ち着いていてとても心地好く、仲睦まじさは健在のようだ。
誠達と久しぶりに会い、話に花を咲かせていると、追い掛けてきたクラスメイトに敢えなく御用となった。
クラスメイトに両腕を挟まれ、連行される亮に、通りすがった聡は何かを察したのか、ガッツポーズでエールを送った。
そんな慌ただしい放課後を幾度か迎え、文化祭が訪れた。
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