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目の前には血の海が広がっている。
これで何人目になるのだろう。
俺はそう思いながらその場を後にした。
「で、今日も失敗したのか?」
静まり返った室内に低い声だけが響き渡る。
組織のトップが話している時は、誰も口を開かない。
「お前、これで何回目だ?」
「す、すみません。」
最近入ったばかりの新入りが、また今日も殺せずに帰ってきた。
俺たちの組織は依頼を受けて人を殺す。
ターゲットは一般人からSPがついている大物まで様々だ。
ただ一つだけ言えるのが、一度失敗したら、その人物は簡単には殺せない。
まだ、手を出していない状態だったらいいが、少しでも接触をしてしまったら、相手は警戒心を強める。
ましてや顔を見られたりなどしたら、もうおしまいだ。
今、目の前で怒られている彼は、まだ殺すことに対して恐怖心を抱いているらしく、いつも怖気づいて帰ってくる。
「まあいい、次はちゃんとやれよ。」
「は、はい。」
そう言うと彼は俺らのいる方へと戻ってくる。
「尋。」
「はい。」
「後処理を頼む。」
「了解しました。」
そして当たり前のように、失敗した仕事は俺へと流れてくる。
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