第二章

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朝起きていつものように事務所に向かう。 昨日飲みすぎた所為で頭が痛いが、そんなことで休むわけにはいかなかった。 事務所に着いてドアノブに手をかけたその時。 中から会話が聞こえてきた。 普通だったら気にせず中に入っていくが、彼らの会話の中に俺の名前が含まれていたため、俺は耳を澄ましてその会話を聞いた。 「え、そうなんすか?」 「そうらしいよ。」 「でも蛙の子は蛙って…。」 「そんなもん、ガキの頃から教え込まれれば嫌でも身に着くだろ。」 「そうゆうもんなんすかね。」 「そうゆうもんだろ。トップだってそのために尋を引き取って息子にしたんだろ。」 引き取った? 息子にした? 俺はその言葉に耳を疑った。 でも、そこまで驚くこともなかった。 確かに前々から疑問には思っていたことだ。 陵は昔から俺のことを一つの駒のように扱ってきた。 その扱いは他の組織の人よりも酷かった。 誰よりも人を殺させ、誰よりも厳しくされた。 それは親なりの愛情だと最初は思っていた。 しかし、彼の眼はいつも俺を憎むような眼で見ていることにある時気づいた。 それはふとした瞬間だった。 仲間たちと話している時にちらっと陵を見ると、彼は鋭いまなざしで俺を睨みつけていた。 彼は俺に気づくとすぐに目を反らしたが、その行動はあまりにも不自然だった。 もし、本当の息子だったらもう少し優しい目で見てくれるはず。 なにより、人殺しなんてさせないはず。 だがこれで全ては繋がった。 俺は彼の本当の息子ではない。
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