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俺は近くの公園までくると、ベンチに腰をおろした。
昼時とあって学生や会社員の姿が目立つ。
付近には、オフィスビルや学校が多く立ち並んでいて、昼になるとこうして公園で昼食を取る人が多いのだ。
彼らはとても楽しそうに会話をしては、笑顔を見せる。
彼らの世界はこちらとは比べ物にならないくらい平和そうだ。
俺はその様子をただ見ていた。
普通の親のもとで暮らしていたら、俺も今頃彼らのように普通の職業について、普通に楽しく暮らしていたのかもしれない。
それなのに、彼に引き取られたことによって、それは全て失ったのだ。
そう考えると怒りが込み上げてくる。
息子なんてもらわなくても、組織の人間は腐るほどいる。
そいつらにいくらだって人を殺させればいいのに、なぜ俺を引き取ってまで殺し屋にさせたんだ?
本当の親は、今どこにいるんだ?
もしかして、あいつが殺したのか?
俺はどんどん親父のことが信じられなくなった。
殺しの世界でトップに君臨している彼を少しは尊敬していた。
だが、今はそれすらも霞んでしまう。
この先、彼の下で働き続ける自信がなくなっていた。
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