†永遠の世界†

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一瞬、否、永遠とも言える時間の中、時の針を進めることさえ忘れたしまった世界で、陽炎にも似た紅蓮の空の下、その荒野を埋め尽くす幾千、幾万の屍達、そんな地獄のような静寂に満ちた世界の中、たった二人だけが、異様な空気の中・・・対峙していた。 一人は男性。一見、美青年に見えるその男は、身長はそれなりに高く、その者の目は普通の人間では在りえない程の深い憎しみと復讐心を宿した金色の眼をしており、膝まで届くであろうその銀色の長髪は所々血で染まり、青年が着ている身の丈程ある漆黒だったであろうコートは至る所に返り血が付き、紅く変色していた。 そして、もう一人は女性。ただその容姿は女性と定義するにはあまりにも美しく、それは、まさに絶世の美女と呼ぶに相応しい。身長は対峙している青年には少し劣るがそれなり高く、腰あたりまで伸びた、太陽のような金色の光を放つその髪、空を思い浮かばせる程の何処までも蒼い蒼眼、所々に血は付いているがそれでも神聖を思わせる純白のコートが、一層その女性の美しく見せていた。
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