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「そうですか。……わかりました」
女性は覚悟を決めたかのように青年をただ真っ直ぐに見つめる。それは先程までの殺気に押され、威圧感に苛まれていた時と違い、ただただ真っ直ぐでいて美しくもあり、凛々しさすら感じさせる姿である。
「なら、私がこの戦いに幕を引き、今度こそ貴方を救ってみせます!私はもう世界からも、貴方からも逃げるつもりはありません!!!」
女性は高らかに青年に宣言すると、女性の右手の薬指にはまっている指輪から淡い閃光が煌めき、それは所々に形を成していく。そして一瞬の淡い閃光が止むと、そこには金で綺麗に装飾された一本のレイピアが女性の右手に握られており、女性は迷うことなくそのレイピアの切っ先を青年に向けた。
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