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お菓子の収納してある棚を探ったところ、ポテトチップス(僕の好きなコンソメ味)と、こないだ母さんがご近所から貰って来てたクッキーの缶を見つけた僕。僕はそれらと、冷蔵庫からはジュースを持って二階へと上がった。
部屋に入った時、僕はカーテンを閉め忘れていた事に気付く。僕は机の上にお菓子とかを置いて、カーテンを閉める前に外に少し目をやった。
外は雨が降っている。
止む気配は、ない。
僕は小さくため息をつき、勢いよくカーテンを閉めてやった。そしてベッドの上に座り、再びマンガを読もうと置いてあったそれを手に取った──と同時に、部屋のドアがノックされた。
「カイ、入って良いか?」
──リクだ。
「…………」
どうしよう。今、リクをこの部屋に入れても大丈夫だろうか? さっきの“あれ”が脳裏をよぎって、僕はリクを入れようどうかを悩む。
「カイ……?」
リクの小さな声。きっと、僕が返事しない事を不審に思ってるのだろう。僕は一抹の不安を覚えながらも、リクを部屋に入れる事にした。
「良いよリク。入って」
「ああ」
リクが部屋に入ってくる。僕はマンガを読みながら、あえてその姿を見ない。リクは無言で僕の隣に座ると、机を見て小さく笑った。
「何、お前まだ食うの?」
「まあね。今夜は徹夜しようと思ってたからさ、下から持って来たんだ」
ふぅん、と言いながらリクはカーテン──カーテンの向こう側の窓を、見ている。ちらりとリクの表情を盗み見ると、そこには表情という表情が存在しておらず、ただ単に、無表情でその一点を見つめていた。
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